☆☆ むちうち(外傷性頚部症候群)の鍼灸治療 ☆☆


車で後部から追突されるなどにより、その衝撃で頭部が振り子となって頚が正常な可動域を逸脱して、大きくムチのようにしなるので、ムチ打ちと呼ばれる。外傷により、頚部の過伸展、過屈曲が矯正されて、頚椎あるいは周囲軟部組織が損傷し、多彩な症状を呈する症候群をいう。レントゲン等の画像診断では、骨に異常を認めることは少ない。多くの場合、時間経過とともに症状(頚部疼痛、筋緊張、運動制限、上肢の疼痛、しびれ、知覚鈍麻、頭痛、頭重、肩こり、背部痛、悪心、めまい、耳鳴り、眼精疲労など)が発現してくる。


ムチ打ちの後遺症に苦しんでやってくる患者さんたちは、おそらく、初期状態、急性期での治療が不十分で、完治せずに慢性化してしまったと思われる。このようなケースでは、完治しきれずにクローズしてしまった治癒のプロセスをもう一度先にすすめる必要がある。損傷部位に鍼でアプローチし、もう一度古傷を新鮮な状態に戻し、修復のやり直しをさせるのだ。大概それで上手くいくが、治りが悪い場合は、脳に刷り込まれた痛みという視点でも病態を考えなければならない。その場合、脳に対しての刺激(情報)の入力は、上下肢の末梢のツボが有効なので、そうした治療も加えていく。もちろん、頭鍼治療(YNSA)も加える。


病に対しての手当は早ければ早い程よい。時間が経過した、陳旧性、慢性の症状は、何につけ病態が一筋縄でなく、こんがらがった糸を根気よく一つ一つ解いていかなければ仕方がない。近道なんてないのだ。
受傷から早ければ早いほど、治療効果も高いため、鍼灸治療を取り入れる場合は、できるだけ早めの治療を決断されることをおすすめしたい。