☆☆ 腱鞘炎・テニス肘の鍼灸治療 ☆☆


腱鞘炎とは、腱鞘部に起こる種々の炎症症状をさします。母指の過度の使用や外傷によって発症します。母指の外転、伸展時に腱鞘部に一致して疼痛を訴え、局所に圧痛があり、腫脹があります。手指屈筋腱に靭帯性腱鞘炎が起こった場合、腱の一部が肥厚して、腱鞘を円滑に通過できなくなる「弾発指(ばね指)」となります。     
                                                         肩関節でも、肘でも、手首でも、あるいは膝でも足首でも、関節の故障は、運動の連動性に問題があります。私たちの日常では、一つの関節だけを動かして何かをするということはまずありえない。なにげなく行なっている一つ一つの動作にも必ず全身の関節の協同作業、連動性があります。


例えば乳幼児のお母さんは、子供を頻繁に抱っこし、その上で家事をこなします。そのため、どうしても手首の腱鞘や肘を傷めやすいといえます。このような場合は、子供の体重を腕だけで受けるのではなく、体幹でも受けとめるように身体を使うのです。そうすれば腕への負担が減り、手首や肘を傷めることは少なくなります。


スポーツの場合、フォームのイメージングを考えましょう。

地面の踏ん張りから生じる反作用の力は、下肢から体幹を通り上肢へと伝わります。この力の伝導が良好なら、当然、ボールにインパクトする時、その力(パワー)がボールにも伝わり、いいパフォーマンスが発揮できます。しかし、連動性の悪いカラダの使い方では、その力の伝導が悪く、連動性が寸断された箇所(関節)では、その力を吸収することになるので、故障の原因になります。なおかつ、ボールにも十分な力が伝わらずパフォーマンスは下がってしまいます。地面→下肢→体幹→上肢(or下肢)の力の伝導。地面から受けた力を、いかに上手にカラダから逃していくか、抜けていくか、その通り道をよくイメージしてください。そうすればフォームに対する俯瞰力がつき、きっとパフォーマンスの改善につながります。


そう考えると、上肢、下肢の関節の故障の背景には連動性の悪いカラダがあり、それは上下肢のベースの体幹に問題があるという視点が生まれます。姿勢の悪さ、肩こり、腰痛など、体幹に問題があれば、やはり上下肢の関節も故障しやすくなります。


腱鞘炎、テニス肘の鍼治療では、やはり発痛部位の局所治療が重要です。痛みは、肘、手首の使い過ぎによる炎症が原因です。なぜ炎症が起こるのか?使い過ぎだから~それでは答えになっていません。手首、肘の関節を動かしている筋肉の疲労が根本原因です。疲労が蓄積した筋肉は、柔軟性を失い、十分な伸縮ができません。このため、筋の終着である関節部位にストレスがかかり、スムーズな関節運動ができず、炎症が起きるのです。根本原因は、関節のムーブメントの筋肉です。だから、発痛部位の肘や手首にだけ治療をしていても治りません。局所にステロイド注射を打っても、一時的に炎症がひくかもしれませんが、原因の筋肉の治療をしないかぎり再発を繰り返します。                                       腱鞘炎やテニス肘に対する鍼灸治療も、発病からの経過が短いほど効果が高いといわれていますので、症状を自覚された場合は、早めに治療を開始されることをお勧めします。