☆☆ うつ病の鍼灸治療 ☆☆



うつ病とは?


多くは20代以降に発症し、男性:女性=1:2と、女性に多い傾向があります。双極性障害(躁うつ病)に比べて遺伝的要素は少ないようです。性格的には、メランコリー親和型性格(几帳面、義務・責任感の強いタイプ)や執着型性格の人がなりやすく、他にも、ストレスとの関連が重視されています。生理学的には、セロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質や間脳・下垂体・副腎皮質系の異常などが考えられます。最新の医学では、血液検査での判定が実験され、有用なことが分かってきました。

初期症状では、特に抗うつ薬が有効で、うつ病の7割以上が反応します。平均6か月位で軽快しますが、長期にわたる慢性経過もあり、難治性のうつ病もあります。また、精神症状が、随伴する身体症状に隠され、ぱっと見うつ病には見えない仮面うつ病というタイプがあることも分かってきました。



うつ病の特徴的な症状には、次のようなものがあります。

抑うつ気分:憂うつ感,悲哀感,不安・焦燥感,自責感など.朝方が悪い.

思考の異常:思考遅延,自己過小評価,とりこし苦労など.

意欲・行動の異常:集中力・決断力の低下,動作緩慢,ときに不安焦燥による徘徊,自殺企図など.

身体症状:不眠,全身倦怠感,頭重感,胸内苦悶,息苦しさ,便秘,口乾,寝汗,性欲減退,月経不順など.



社会的認知が高まる



最近では、うつ病の関連書籍も増え、先日は原作マンガ『ツレがうつになりまして』をNHKが、藤原紀香、原田泰造のキャストでテレビドラマ化。その他、芸能人の闘病日記など・・・うつ病はこころの風邪、うつ病の人には「がんばって!」という励ましはダメという知識が浸透するくらい社会的認知が進んできました。

実際、臨床現場では、うつ病は、めずらしくなく、初診時の面接では必ず念頭においてチェックする項目のひとつです。最近は、こちらが尋ねる前に、患者さんからも自分はうつ病ですとカミングアウトするのも普通です。



うつ病の鍼灸治療



うつ病の患者さんは、肩こりや全身の倦怠感、不眠などの随伴症状を訴えて来院されます。治療においても身体症状改善を目標に、からだが楽になれば気持も楽になるいうストーリーで治療します。

鍼灸院では、患者さんの滞在時間も長く、世間話から、悩み事の相談、仕事や家族のグチにいたるまでいろいろな話が飛び出します。わたしはカウンセラーではありませんが、こうした話にはカウンセリングマインドを持って傾聴の姿勢で対応しています。おそらく、鍼灸治療では、スキンシップによるタッチセラピー効果もあり、こころのリラックスと開放を促すのではないでしょうか。自分の中の感情を吐露することのできない人が、うつ病になりやすいというデータもあります。

うつ病の人は、大抵肩こりを訴えます。頚肩部の緊張は、脳の緊張に直結しています。実際、副神経(脳神経)は、肩こりの人が、必ず訴える胸鎖乳突筋や僧帽筋を支配します。また、頭や顔のツボにも鍼をします。こうしたツボには、精神安定作用があります。最初は、ちょっと怖いかもしれませんが、全く危険はなく、鍼をすると気持のいいツボです。